牧場のカバン　

１月末頃に　”カバンも作ってますか？”　の電話があり　”はい”とは言ったものの

カバン修理は多いのですが、作るのはトートバックや手帳・財布など比較的やりやすい物

しか受けたことがない為、どのような物か不安だったのです。

後日、お客様がサンプルを持ってこられて　”　ビックリ　”　

あちこち傷んだり　カバンのような・・・箱のような物で・・・

鼻を刺す異臭（ばんえいの騎手の人達の靴で慣れてはいますが・・・！）

じつは牛舎で牛たちの健康をチェックする心電図？の機械を入れるバック(カバー)だった

のです。

かなり高価なコンピュータ―なのと雨の日も雪の日も過酷な作業で使用する物らしく

牛の横に立ち、ベルトで肩や首に」かけて使うのですが非常に重くて・・・！

カバーは必要不可欠だと思います。

これは　やらねばと言う変な使命感もあり引き受けたのですが

バックに使用する材料集めと、サンプル作り

本体の丈夫な合成皮革やベルト・金具・コンピューターの熱を逃がす穴のメッシュ

寒気から保護するホイール材・衝撃から守るポリプロピレン板　各問屋さんやメーカーに

連絡したり製造中止の物もあったりで１か月かけて、サンプルを納める事が出来ました。

後は使用してもらい改善する所のチェック、設計図や型紙も２・３回書き直し

３月から本番　！後は流れ作業でと思ったのですが・・・革漉き機の刃が・・・

３分の１に減ってしまい　取りかえ。

ここで活躍したのがポストタイプのミシン

あまり使用しないので処分しようかななんて思っていたのですが・・・？（しなくて良かった）

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ある日の夜、店で一服していると奥にあるポストミシンが勝手に動き出したのです。

こっこれは　”　オバケ～”　＼(◎o◎)／！

実はコンピューターミシンのため　少し狂いが生じ始めていた為だったのです。

あれやこれやで　残りのバックも３月いっぱいで納める事が出来ました。

これから十勝も春本番になり牛舎も子牛が沢山生まれてくるでしょう。

このバッグは大切な牛やコンピューターを守ってくれるだろうと願っています。

（のちのちのメンテナンスの為、長いおつきあいになりそうです！）

*　　*　　*　　*　　*　　*　　*　　*　　*　　*

そして、共に作業をしてくれた相棒　（　うちの奥さんです　）に

おいしい紅茶でも入れてあげますか！！